憧れの和婚にはきれいな振る舞いを。覚えておきたい美しい和の所作
美しい和の所作は、和装の美しさをより際立たせます。
日常生活では着る機会のない婚礼衣装を身に着けた時、注意すべき点はどこにあるのでしょうか?
和装での挙式を控えていらっしゃる方はもちろん、日本人なら知っておきたい美しい和の所作を場面ごとにご紹介します。
和装での基本の所作
和装での正しい立ち居振る舞いには、着崩れしない・疲れにくいといったメリットに加え、何より“美しい”という最大の利点があります。
コツを押さえた美しい所作で、一生に一度の晴れ舞台を彩りましょう。
入場時
和装は洋装に比べて、身につけるととても重く感じるもの。
かつらの場合は、なおさらその重みで猫背になってしまいやすく、常に背筋を伸ばす意識を持つのが大切です。
目線は3mくらい先の地面を見るようにし、伏し目がちにすると、慎ましい花嫁姿を演出できます。
また、和装の場合は、内股で歩幅を小さくして、すり足気味に歩くと美しく見えます。振り返る場合は首だけでなく、体ごと振り返るようにしましょう。
直立時
頭の上から1本の糸で吊られているようなイメージでまっすぐ立ち、背筋を伸ばします。
肩の力は抜き、おへその下辺りに力を入れるようにすると安定します。
つま先が開いてしまうと見栄えが良くないため、片足を軽く引き、つま先を内側に向けて重なるようにしましょう。
神前式中の所作
日本伝統の挙式スタイルである神前式。厳かな雰囲気の中行うため、思わず緊張してしまうことが予想されます。
一生に一度の晴れ舞台で失敗しないように、あらかじめ立ち振る舞い方を確認しておきましょう。
玉串の捧げ方
玉串奉奠の所作は、通常本番前のリハーサルで確認することになっていますが、一連の流れを予習しておくと安心です。
- 右手で榊の枝、左手で下から葉を支える形で神職から玉串を受け取ります。
- 神職は玉串を渡すと、小揖(15度程度の軽いおじぎ)をしますが、答礼の必要はありません。
- 玉串を胸の高さに持ち、小揖をしてから神前に足を進めます。
- 玉串の枝の根元を自分に引き寄せるようにして持ち、玉串と顔が向かい合わせになるように立てます。
- 祈念を込め、一旦左手は右手の位置まで下げて玉串を持ちましょう。
- 玉串を顔の高さから離し、右手で下から葉を支えるとともに、左手で枝の部分を持つ形で右回りに回し、玉串の根元がご神前に向くように持ちます。
- 左足から足を運び玉串を案(机)の上にお供えし、右足から退き拝礼をします。
三々九度
お神酒をいただく時、新婦様はしっかり脇を締め、盃を一度帯の方に引き寄せてから体と水平になるように口元に近づけてからいただきます。
着慣れない着物で腕が上がりづらく、戸惑ってしまうかもしれません。
腕が上がらないからといって、盃の方に口を近づけることのないように、可動範囲をあらかじめ確認しておきましょう。
披露宴中の所作
挙式だけでなく、披露宴も和装で行う場合に注意すべき点をご紹介します。
袖の扱い
普段気にすることが少ないため、つい忘れてしまいがちな長い袖の扱いにも注意しましょう。
何かものを取る時や手を上げなければいけない時は、反対の手で袖口を押さえるようにすると美しく見えます。
袖の存在を忘れて飲み物をこぼしてしまったり、お料理に付けてしまったりすることのないように、注意が必要です。
座り方
きれいに結んだ帯がつぶれてしまわないように、椅子に浅く座り、背もたれにもたれないように気をつけましょう。
合わせが開いてしまうと見苦しいため、膝を閉じて座ります。また、猫背も胸元がはだけてしまう原因になるため、座る時も背筋は伸ばすよう心掛けましょう。
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和装をより美しく見せるために、注意すべき和の所作を場面ごとにご紹介しました。
和の婚礼衣装は、普段着る機会のないものですから、普段とは違った部分にまで気を配る必要があります。
ポイントを押さえ、美しい立ち居振る舞いで結婚式を成功させるために、ぜひ参考にしてみてください。